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Channel: 日常&観劇日記
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鱈々

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10月22日天王洲銀河劇場13時開演の「鱈々」を観に行きました。



コラボドリンク



モンチー君とケンケン君。



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作:李康白(イ・ガンペク)
演出:栗山民也
翻訳:石川樹里

<出演>

藤原竜也、山本裕典、中村ゆり、木場勝己


<あらすじ>

倉庫で暮らし、中身を知らない箱を順番通りに並べるだけの
単調な仕事を続けてきた2人の男ジャーン(藤原竜也)と
キーム(山本裕典)の関係を軸に、キームの遊び相手ミス・ダーリン
(中村ゆり)とその父(木場勝己)の出現によって
2人の日常に変化が訪れる様が描かれる。




5桁の数字が印刷してある木の箱が天井まで積まれた薄暗い倉庫。
与えられた仕事を完全にこなすことに自分の存在価値を見出し、
仕事に励む一方で、キームに淡い恋心を抱くジャーン。
単調な生活に嫌気がさし、夜は外で女と遊ぶキーム。
2人は物心ついたときから倉庫の中で生活を共にしてきた倉庫番。
ジャーンの病的なまでに職務に忠実な様子と、キームの
ちゃらんぽらんさの対比が面白い。
タイトルの鱈々は、2人が食べるために保管している乾燥した
鱈の頭、から来ているようでした。




竜也君は倉庫の中以外、外の世界に興味の無い引きこもり気味の役。
山本裕典さんはキレやすくてチャラい役。
木場さんは箱を運搬するトラックの運転手。その娘役が中村ゆりさん。
サングラス姿で、イカサマ博打を打つ木場さんも迫力があったけれど、
いろいろな倉庫の倉庫番達と片っ端からいい仲になり、
最終的に誰の子供か分からない子供を身ごもるアバズレ娘役の
中村さん。擦れっ枯らし感がにじみ出る演技が素晴らしかった。
本当は心から自分を愛してくれる男性と一緒になりたいと
思っているのに気持ちとは裏腹に自分を大切に出来なくて
時折見せる、諦めにも似た寂しそうな表情が
切なくて心打たれました(T_T)




あれこれとキームの世話をやくジャーンはお母さんのよう。
少しの間違いも許さず、融通のきかないジャーンに
ジャーン自身のこだわりが、どれだけ無駄なものかということを
知らしめる為に、わざと積荷の箱をすり替えて間違ったものを
運び出すキーム。後でそれを知った時のジャーンの
精神状態が、かなり危なかった。
キームがミス・ダーリンと結婚する為に出ていったあと、
乾燥した鱈の頭を前に薄暗い倉庫の中で1人自問自答する
ジャーン。孤独感が痛いほど伝わってきて辛かった。
なんてことのないストーリーなのに、4人の演技が素晴らしくて
倉庫の中という狭い世界が、世界の全て、かのような
ジャーン的感覚に陥った舞台だった。






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