1月6日(水)カメリアホール13時開演の
リーディングドラマ わが愛の譜「滝廉太郎物語」を
観に行きました。
原作 : 郷原宏
脚本・演出 : 菅原道則
出演 : 上原理生、音花ゆり、帆風成海、今井清隆
演奏 : 濱野基行 (ピアノ)
<あらすじ>
「花」「荒城の月」などの作曲で知られ、23歳という若さで
この世を去った近代日本を代表する作曲家・滝廉太郎の
短い生涯を、歌と朗読で綴ります。
<劇中歌>
滝廉太郎というと、音楽劇「滝廉太郎と友人と知人とその他の諸々」を
思い出しましたが、この話は廉太郎が東京音楽学校
(現在の東京藝術大学)に入学した事から始まる朗読劇だった。
滝廉太郎さん、理生君の先輩にあたる方だったのですね。
103年前という事で、今のように西洋の楽器に気軽に
ふれあう機会も無かった中、史上最年少の、十六歳という
若さで大学に入学したとの事を知り、あらためて
滝廉太郎という音楽家のすごさを実感しました。
出演者の皆さんは着物姿で、手には台本を持っているものの、
あまり視線を落とす事なく、動きながら語ってくれるので
普通のストレートプレイを見ているようだった。
滝廉太郎役の理生君は、滝さん作曲のものだけでなく、
クラシックも歌ってくれて、リサイタルのような気分が味わえた。
滝廉太郎以外の出演者は一人何役もこなすので、
大変そうでしたが、声や口調が変わるので分かりやすかった。
今井清隆さんは、「KAKAI 歌会」出演時のスパンコール女装姿の
記憶のままの観劇でしたが、凛々しい着物姿からの♪日本男児、
歌唱でいつものダンディな今井さんに上書きされました( ´艸`)
外国人の教授、18歳の役、廉太郎の父、等、
一番役のバラエティーが富んでいたのが今井さん。
奥ゆかしい日本女性の鏡のような音花ゆりさん、
宝塚で男役だったなんて想像もつかない位に着物さばきや
所作が美しい帆風さんといい、素晴らしい和の世界を堪能しました。
理生君を通して、滝廉太郎が音楽の勉強に期待をふくらませて
いた頃の心境や、初恋、傷心、ドイツ留学でのプレッシャーや、
苦悩が伝わってきて心情にシンクロする事が出来た。
滝廉太郎と、激動の人生を共に駆け抜けた気分。
死ぬ前に「憾」という歌を残し、志半ばで、23歳という
若さで亡くなった滝廉太郎の無念さを思うとやりきれなくなる。
今井さんが読む、亡くなった廉太郎に向けての弔いの言葉と、
最後に歌われた♪荒城の月の歌が感動だった。(T_T)